腎臓病疾患別Q&A

多発性嚢胞腎(PKD:polycystic kidney disease)

医師案内

Q.どのような病気ですか?


遺伝性の疾患で常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)と常染色体劣性多発性嚢胞腎(ARPKD)があります。ここでは主にADPKDについてお話しします。
腎臓に嚢胞(内部に水がたまる袋)がたくさんでき、徐々に正常な腎臓の組織が失われ、機能が低下していく病気です。嚢胞が増え、大きくなるにしたがって、腎臓自体も大きくなります。また肝臓にも嚢胞ができることがあります。その他の臓器にも異常をきたすことがあり、一部の方で脳動脈瘤や心臓弁膜症を発症する可能性があります。




Q.どのような症状がありますか?


初期には症状が乏しいと考えられます。腎臓が大きくなるにしたがってお腹が張ってくるような症状(膨満感)が出たり、腰痛や背中の痛みを訴えられる方もみえます。また嚢胞に感染を伴うと発熱や腰に痛みを感じることがあります。腎不全の悪化に伴い、倦怠感やむくみ、動悸・息切れなどの症状が出現することがあります。




Q.どれくらいの患者数がいるのでしょうか?


日本全国には約3万人程の患者さんがいると考えられています。患者さんの約半数が 60 代までに腎不全の状態となります。症状が乏しいため、ご自身が罹患されていることに気づかれていない方も多くいらっしゃると考えられます。




Q.原因はなんですか?


遺伝子の異常によることが判明しています。特にADPKDでは両親のいずれかがこの病気であった場合、50%の確率で遺伝することが分かっています。




Q.どのように診断されるのですか?


主に超音波やCTなどの画像診断によって診断されます。家族歴も診断の参考となります。




Q. どのような治療方法がありますか?


トルバプタン(V2受容体拮抗薬)というお薬があり、これは嚢胞が大きくなることと、それに伴う腎機能の悪化を抑制する効果があります。しかし、すべての患者さんに等しく効果や適応があるわけではなく、お薬が使用できるかどうか検査をする必要があります。
また、高血圧の合併がある場合には高血圧の治療を、腎不全の程度に従って食事療法などを行う必要があります。
脳血管や心臓の弁に異常を認めた場合、当該の専門科と連携しながら治療を進めます。





多発性嚢胞腎への名古屋大学腎臓内科の取り組み

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