腎臓病疾患別Q&A

急速進行性糸球体腎炎(RPGN:rapid progressive glomerular nephritis)

医師案内

Q.どのような病気ですか?


急速進行性糸球体腎炎(RPGN)は、腎臓のろ過装置である糸球体に強い炎症が起こり、数週~数カ月の間に急速に腎機能が低下する病気の総称です。腎生検(腎臓の組織を一部採取し、顕微鏡で調べる検査)を行うと、半月体という強い組織障害を表す構造物を認めることから、壊死性半月体形成性糸球体腎炎とも呼びます。
この病気は指定難病となります。患者さんのご病状に応じて公的な助成制度があります。詳しくは主治医の先生に相談してください。




Q.どのような症状がありますか?


自覚症状は、初期には微熱・倦怠感・食欲不振などを認めることがあります。しかし、自覚症状がなく、たまたま行った血液検査・尿検査で異常を指摘され、発見に至ることもあります。一般的に、自覚症状のみでRPGNを早期発見することは困難です。




Q.どれくらいの患者数がいるのでしょうか?


毎年2,400人から2,700人のRPGNの患者さんが新たに発生していると推定されています。




Q.原因はなんですか?


抗好中球細胞質抗体(ANCA)や、抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)といった自己抗体(自分の身体を攻撃してしまう免疫のたんぱく質)などが原因となります。自己抗体ができてしまうメカニズムについては十分には分かっていません。




Q.どのように診断されるのですか?


前述の抗体検査を含む血液検査、尿検査、画像検査を組み合わせて診断します。必要に応じて、腎生検を行うこともあります。




Q.どのような治療方法がありますか?


原因となる病気の種類や、患者さんの状態を総合的に考慮して決定されます。(大量)副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬が治療の主体ですが、病状に応じて血漿交換や血液透析を併用します。




Q.治療の成績はどうなっていますか?


全国のアンケート調査では、2009年から2011年の間にRPGNを発病した患者さんの6ヶ月生存率は88.6%でした。日本の大規模な研究(RemIT-JAV研究)によると、RPGNのなかでも代表的なANCA関連血管炎を発病した患者さんのうち、約80〜90%の方が寛解(腎不全の進行が停止し、腎炎による尿の潜血などが消失した状態)を達成できると考えられました。





急速進行性糸球体腎炎への名古屋大学腎臓内科の取り組み

  • 標準的な治療に加え、リツキシマブなどの生物学的製剤による治療も積極的に行っています(生物学的製剤とは、生物が作り出すたんぱく質などを応用して作られた薬剤を指します)。

  • RPGNの診断や治療に役立つ血中・尿中の新たな物質を探す研究を進めています。

  • ANCA値をモニターした結果を元に、治療法を慎重に調整しています。

急速進行性糸球体腎炎についてより詳しく知りたい方へ