腎臓病疾患別Q&A

ネフローゼ症候群

医師案内

Q.どのような病気ですか?


大量のたんぱく尿とともに全身のむくみが起きる状態のことです。特定の病気を指すのではなく、この状態を引き起こす病気全般のことを言います。




Q.どのような症状がありますか?


全身のむくみや、むくみによる体重増加が代表的な症状です。また、全身の病気に伴ってネフローゼがおこる場合は二次性ネフローゼ症候群(後述)と言われ、むくみのほかにも発熱、関節痛、皮疹など背景となる病気特有の症状がみられることがあります。
ネフローゼ症候群の患者さんは、指定難病としてご病状に応じて公的な助成制度が利用できる場合があります。詳しくは主治医の先生に相談してください。




Q.どのような時に病気が見つかりますか?


急にむくむことで受診することもあれば、検診のたんぱく尿から発見されることもあります。




Q.どれくらいの患者数がいるのでしょうか?


ネフローゼ症候群の中で、一次性ネフローゼ症候群(後述)の患者さんは日本全国で約16,000人と推定されています。




Q.原因はなんですか?


ネフローゼ症候群はいろいろな原因によって引き起こされますが、腎臓そのものの病気による場合(一次性)とその他の全身の病気に伴っておこる場合(二次性)があります。
一次性ネフローゼ症候群は、腎生検(腎臓の組織を一部採取し、顕微鏡で調べる検査)によって、①微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)、②巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、③膜性腎症、④膜性増殖性糸球体腎炎に分類されます。
二次性ネフローゼ症候群をおこす原因として、自己免疫疾患、代謝性疾患、感染症、アレルギー・過敏性疾患、腫瘍、薬剤、遺伝性疾患などがあります。二次性の場合、ネフローゼの症状以外にも、その背景となる病気特有の症状が見られることがあります。




Q.どのように診断されるのですか?


ネフローゼ症候群の診断基準(成人)は、①1日あたり3.5g以上のたんぱく尿、②低アルブミン血症(血清アルブミン値が3.0g/dL以下)の両方を認めることとされています。また、浮腫(むくみ)があること、脂質異常症があることも診断の参考になります。
ネフローゼ症候群と診断されたら、詳しい診断は腎生検が必要です。




Q.どのような治療方法がありますか?


一次性ネフローゼ症候群では、ステロイドを中心とした免疫抑制剤による治療が行われることが多いです。治療への反応はそれぞれの疾患や患者さんによってさまざまですが、場合によって長期間の治療が必要となることがあります。
二次性ネフローゼ症候群の場合、治療はネフローゼの原因となった全身の病気に対して行われるため、治療の内容は患者さんによって異なります。





ネフローゼ症候群への名古屋大学腎臓内科の取り組み

  • 難治性の患者さんに対しては、標準治療に加え、免疫抑制薬のミコフェノール酸モフェチルや生物学的製剤のリツキシマブの投与を行っています(生物学的製剤とは、生物が作り出すたんぱく質などを応用して作られた薬剤を指します)。

  • 膜性腎症の原因であるとされているPLA2R抗体やTHSD7A抗体などの測定を行っています。また、ネフローゼ症候群の診断や治療に役立つ血中・尿中の新たな物質を探す研究を進めています。

ネフローゼ症候群についてより詳しく知りたい方へ