腎臓病疾患別Q&A

ループス腎炎

医師案内

Q.どのような病気ですか?


全身性エリテマトーデス(SLE:systemic lupus erythematosus)は膠原病の一種で、全身のさまざまな場所(皮膚・関節など)、臓器(腎臓、脳神経、心臓、肺、消化器、血液など)に多彩な症状を引き起こします。患者さんによって、症状や障害される臓器が違うことが分かっています。
ループス腎炎は、SLEで認められる腎炎のことを指し、軽症から重症までさまざまな程度があります。
この病気は指定難病となります。患者さんのご病状に応じて公的な助成制度があります。詳しくは主治医の先生に相談してください。




Q.どのような症状がありますか?


全身症状(発熱、全身倦怠感など)、筋肉痛や関節痛、発疹、口内炎、日光過敏症といった症状に加えて、ループス腎炎を発症している場合には体のむくみ、たんぱく尿、血尿などが出現します。その他にも脳、心血管、肺、消化器、血液といった重要な内臓の障害による症状がでることもあります。患者さんごとに、どのような症状が出るかが異なることが特徴です。




Q.どれくらいの患者数がいるのでしょうか?


SLEの患者さんは日本全国に約6~10万人程の患者さんがいると考えられています。ループス腎炎は約60〜80%のSLE患者さんに認められるとされています。若い女性に多い傾向がありますが、最近は発病される年齢が高齢化してきているとも言われています。




Q.原因はなんですか?


自己抗体(自分の身体を攻撃してしまう免疫のたんぱく質)などの免疫異常によって起こることは分かっていますが、その原因についてははっきり分かっていません。




Q.どのように診断されるのですか?


アメリカリウマチ学会の分類基準[①頬部紅斑、②円板状皮疹、③日光過敏、④口腔内潰瘍、⑤関節炎、⑥漿膜炎、⑦腎障害、⑧神経障害、⑨血算異常、⑩免疫異常、⑪抗核抗体、のうち4項目以上]などにしたがって、SLEと診断します。また、ループス腎炎の重症度を調べ、適切な治療を選択するために尿検査や腎生検(腎臓の組織を一部採取し、顕微鏡で調べる検査)を行います。




Q.どのような治療方法がありますか?


副腎皮質ステロイド、ステロイドパルス療法、免疫抑制療法を患者さんの状態によって組み合わせて治療を行います。SLEに特徴的な抗体を取り除くことを目的に血漿交換療法を行ったり、腎臓の機能が著しく低下してしまった場合には透析療法を行うこともあります。





ループス腎炎への名古屋大学腎臓内科の取り組み

  • 免疫・膠原病の専門外来を設け、下記のような治療を行っています。

  • 標準的な治療に加えて、免疫抑制薬であるミコフェノール酸モフェチルを積極的に使用しています。その際、血中濃度を測定し安全かつ有効な治療に努めています。

  • 新規抗体薬のベリムマブなど、新規治療法を取り入れています。
    ループス腎炎の診断や治療に役立つ血中・尿中の新たな物質を探す研究を進めています。

ループス腎炎についてより詳しく知りたい方へ