名古屋大学腎臓病

総合レジストリー

患者さんへ

名古屋大学腎臓病総合レジストリー検体検査について

本研究では通常の診療で得られる臨床情報を登録します。

1)患者背景

  • 性別、生年月日

  • 家族歴、既往歴、合併症(基礎疾患並びに腎外病変)

  • 生活習慣(喫煙、飲酒、運動、生活活動度、食生活)

  • 登録時の治療内容

  • 登録後の治療内容

  • 治療効果並びに転帰

​2)臨床所見および検査

調査開始後(全例)ならびに疾患に応じて定期的に以下の項目の中から必要に応じて適宜観察します。

  • 一般所見
    体格、バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数など)、身体所見(浮腫、皮疹など)など

  • 尿所見
    随時尿:沈査、定性、定量(蛋白濃度、生化学、電解質など)、蛋白電気泳動
    蓄尿:尿量、定量(蛋白濃度、生化学、電解質など)

  • 血液検査
    末梢血(RBC、Hb、Ht、WBC、血小板など)、生化学(TP、Alb、Tchol、TG、LDL-C、HDL-Cなどの脂質分画、免疫グロブリン、補体、AST、ALT、UA、Na, K, 血糖、KL-6、SP-Dなどの間質性肺炎のマーカー、腫瘍マーカーなど)、免疫学的検査(抗核抗体、MPO-ANCA、PR3-ANCA、 抗GBM抗体などの疾患特異的な抗体、肝炎ウイルス抗体など)、血液ガス分析

  • 生理検査
    心電図(標準12誘導、負荷心電図)、肺機能、腹部超音波、心臓超音波、血圧脈波検査、FMD(Flow-Mediated Vasodilation)、脳波

  • 画像診断
    X線、CT、MRI、シンチグラフィー、PET

  • 感染症検査
    細菌、ウイルス

  • 腎生検
    腎組織所見(腎生検があった場合)

尿および血液検体を用いた研究

対象は、血液検査あるいは尿検査に同意が得られた登録者です。

A-1)腎疾患の発症並びに進展に関与すると考えられる分子の測定

尿および血液を採取し、腎疾患の発症並びに進展に関与すると考えられる分子につき測定します

A-2)尿および血液のタンパク質(プロテオーム)解析および代謝産物(メタボローム)解析

尿、血液検体を用いてタンパク質(プロテオーム)解析および代謝産物(メタボローム)解析を行い、病態との関連を解析します。プロテオーム解析のなかでも自己抗体を中心にSeromics解析を行います。腎炎の発症/寛解/再燃に関わる自己抗体が解明されます。

A-3)血液から抽出されたTotal RNAによる解析

血液検体10mLからTotal RNAを抽出し、腎生検所見、臨床検査所見、治療反応性、予後などと関連する分子をmRNAの網羅的発現解析、トランスクリプトームの総合的解析などにより同定します。

A-4)microRNA(miRNA)による解析

遺伝子発現を調べるmRNAの解析とともに、血漿からmiRNA[他の遺伝子の発現を調節する機能を有すると考えられているncRNA(ノンコーディングRNA:タンパク質への翻訳はされない)の一種]を測定し、腎炎関連遺伝子などの遺伝子発現の調節因子を検討します(遺伝子そのものの解析ではありません)。

A-5)血球成分の解析

患者の血液の血球成分(白血球、赤血球、血小板など)について解析します。白血球分画は、フローサイトメーター(FACS)を用いて表面マーカーを解析します。培養し機能を解析します。

腎組織を用いた研究

対象患者は診療上の必要に応じて腎生検もしくは腎摘出術を受けた者です。研究目的で腎生検や腎摘出術が施行されることはありません。腎生検時の組織については、診断に支障のない範囲で全体の約10%を切断し、研究に用います。腎腫瘍の摘出検体については腎腫瘍の診断に支障のない範囲で、腎の非腫瘍組織の一部(約10%)を研究用に用います。得られた組織からmRNAを抽出し、以下の解析に用います。

B-1)アレイを用いたmRNAの網羅的解析

疾患の種類や時期によるmRNAの発現につき解析します。

B-2)RT-PCRを用いたmRNAの定量化

マーカーの候補となるmRNAが同定されれば、RT-PCRで確認します。

B-3)分子成分解析

腎生検もしくは腎腫瘍患者の腎摘出後の腎組織の一部を用いてタンパク質(プロテオーム)解析および代謝産物(メタボローム)解析を行います。

B-4)診断マーカー分子の免疫染色

有望な診断マーカーの候補分子についてはタンパクレベルでの解析(免疫染色)を行います。

B-5)HLAクラスⅡおよび腎疾患に関連のある分子の発現解析

研究課題「HLAクラスⅡ関連疾病の免疫学的解析」の一部として、HLAクラスⅡおよび腎疾患に関連のある分子の発現を蛍光組織染色で解析し、また、それらの分子の共局在をProximity ligation assayで解析します。
*DNAレベルでの遺伝子解析、いわゆる遺伝子診断に関する研究は行いません。

プライバシー保護に関する配慮

1.患者の同意

担当医師は研究開始に先立ち,患者に下記内容について文書を示し十分に説明した後,研究参加について本人または保護者から文書により同意を得ます。尚,同意取得の年月日を同意書の所定の欄に記入します。

  • 研究の目的および方法

  • 患者が研究への参加に同意した場合でも随時これを撤回できること

  • 患者が研究への参加に同意しない場合であっても不利益は受けないこと

  • 研究が病院の倫理委員会または治験審査委員会(IRB)で審査・承認されていること

  • その他人権や個人情報の保護に関し必要な事項

2.患者の個人情報・機密保護

研究の実施においては患者氏名を研究症例番号により匿名化し,患者個人情報の機密保護について十分な配慮を行います。

連絡先

名古屋大学大学院医学系研究科

病態内科学講座 腎臓内科学

丸山 彰一

TEL:052-744-2192

FAX:052-744-2209