腎臓病疾患別Q&A

糖尿病性腎症

医師案内

Q.どのような病気ですか?


糖尿病性腎症は糖尿病が原因の腎臓病です。個人差はありますが、糖尿病の状態が長期間続くことで徐々に蛋白尿が増え腎臓の障害が進みます。最終的には腎不全となり透析などの腎代替療法が必要となる可能性があります。
また最近では、糖尿病性腎症の患者さんの中には蛋白尿が少ない場合でも腎不全に至る方がいることが分かってきています。




Q.どのような症状がありますか?


初期には症状はありません。長い経過で徐々に腎臓の機能が低下し、むくみ・息切れ・倦怠感・食欲の低下・吐き気などの症状が出現します。
また糖尿病の合併症は多彩であり神経障害(しびれや痛み、進行すると感覚が鈍くなったり無くなったりします)や網膜症(視力の低下、最悪の場合失明する恐れがあります)などが腎臓病の発症に先行することが知られています。




Q.どれくらいの患者数がいるのでしょうか?


糖尿病を原因とする腎臓病は糖尿病の増加を背景に増え続けていると推察されます。2015年のデータでは透析導入の原因疾患の1位であり(全体の43.7%:16,072名)、その数の多さがわかります。




Q.原因はなんですか?


糖尿病の状態が続くことが原因です。ただし糖尿病になってもすべての方が腎不全になるのではありません。初期の段階から治療を行い、血糖値を良好にコントロールすることで腎機能の悪化を遅らせることができます。




Q.どのように診断されるのですか?


糖尿病と診断されていることが必要です。さらに他の臓器の合併症や血液・尿・画像の所見などを組み合わせて診断します。判断が難しい場合やそのほかの腎臓病の合併が考えられる場合には腎生検(腎臓の組織を一部採取し、顕微鏡で調べる検査)を行います。




Q.どのような治療方法がありますか?


糖尿病を治療し、良好にコントロールすることが重要です。食事療法や運動療法を中心に治療を行い、そのうえで適宜薬剤による治療を行います。高血圧症などの合併があればその治療も重要です。病気が進行してしまうと悪化の抑制が難しいため早い段階からコントロールを行うことがとても大切です。





糖尿病性腎症への名古屋大学腎臓内科の取り組み

  • 糖尿病性腎症の悪化を抑制するような新たな薬剤(SGLT2阻害薬)を積極的に使用しています。糖尿病性腎症の方に
    心血管病の合併が多いことが分かっているためスクリーニング検査を行い早期発見・早期治療に努めています。

  • 糖尿病性腎症専門外来を新設しました。ここではかかりつけ医の先生と協力して治療に当たります。